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法要・供養

一周忌のやり方と流れ お布施の相場・服装・準備を解説

公開日: 2026年7月22日 / 執筆: 葬儀・法要のしきたり事典 編集部

一周忌法要の意味と数え方、1〜2ヶ月前から始める準備、当日の流れを順を追って解説します。お布施は一般に3万〜5万円程度、御膳料・お車代の目安、施主と参列者の服装、浄土真宗・神式・キリスト教での違い、繰り上げ開催の可否、準備のチェックリストと失敗例まで分かります。

一周忌は、故人が亡くなった翌年の祥月命日に営む、年忌法要の中で最も重要とされる法要です。準備は1〜2ヶ月前から始め、日程調整、僧侶の手配、会場、案内状、引き出物、会食の順に進めます。お布施は一般に3万〜5万円程度が目安とされ、御膳料やお車代を別に用意する場合もあります。

この記事では、一周忌の意味と数え方、準備スケジュール、当日の流れ、お布施の金額、服装、宗派による違い、よくある失敗例までを順に解説します。

一周忌とは 意味と数え方

一周忌は、故人が亡くなってから満1年目の祥月命日(しょうつきめいにち)に営む法要です。祥月命日とは、亡くなった月日と同じ月日の命日を指します。例えば4月10日に亡くなった場合、翌年の4月10日が一周忌の正当の日となります。

四十九日までの中陰法要が遺族の悲しみを整理する期間の節目であるのに対し、一周忌は喪が明ける大きな区切りとされ、遺族・親族に加えて故人と親しかった友人・知人を招いて営むことが多い法要です。年忌法要の中でも特に重視され、規模も比較的大きくなる傾向があります。

三回忌以降との数え方の違い

年忌法要の数え方で最も間違えやすいのが、一周忌と三回忌の関係です。

  • 一周忌は「亡くなってから満1年目」です。
  • 三回忌は「亡くなった年を1回目と数える」ため、満2年目に行います。

つまり一周忌の翌年が三回忌です。以降は七回忌(満6年)、十三回忌(満12年)、十七回忌、二十五回忌(宗派により二十三回忌・二十七回忌)、三十三回忌、五十回忌と続き、三十三回忌または五十回忌を弔い上げ(最終の年忌)とするのが一般的です。回忌の数え方は「回忌数から1を引いた年数」と覚えておくと迷いません。

一周忌の準備スケジュール

一周忌は招く人数が多くなりがちなため、遅くとも1〜2ヶ月前には準備を始めるのが安心です。以下の順で進めます。

  1. 日程を決める(2ヶ月前まで)。祥月命日当日が理想ですが、参列者が集まりにくい場合は命日より前の土日に繰り上げます。命日より後に延ばすのは避けるのがしきたりとされています。
  2. 僧侶に読経を依頼する(2ヶ月前まで)。菩提寺がある場合は早めに連絡し、日時の候補をいくつか伝えて調整します。土日や春秋彼岸・お盆前後は法要が集中するため、希望日が埋まりやすい点に注意が必要です。菩提寺がない場合は、葬儀を依頼した葬儀社や僧侶手配サービスに相談する方法もあります。
  3. 会場を決める(2ヶ月〜1ヶ月半前)。自宅、菩提寺、霊園の法要室、葬儀社の法要会館、ホテルなどが候補になります。法要後にお墓参りをする場合は、墓地への移動のしやすさも考慮します。
  4. 案内状を送る(1ヶ月〜3週間前)。日時、会場、会食の有無を明記し、返信はがきや電話で出欠を確認します。親族だけの少人数であれば電話連絡でも差し支えありません。
  5. 会食(お斎)を手配する(1ヶ月前〜出欠確定後)。会場の会食プラン、仕出し、料理店の個室などから選びます。法要である旨を伝えると、祝い食材を避けた献立にしてもらえます。
  6. 引き出物を用意する(2〜3週間前)。参列者への返礼品として、1家族に1つ、2千〜5千円程度の消え物(お茶、菓子、海苔、洗剤など)やカタログギフトが選ばれています。表書きは「志」「粗供養」(地域による)とします。
  7. お布施・供花・卒塔婆などを準備する(1週間前まで)。お布施は白封筒か奉書紙に包み、表書きは「御布施」とします。卒塔婆供養を行う宗派では、寺院に卒塔婆の本数を事前に伝えます。

平日開催や繰り上げはできるか

一周忌は祥月命日当日に営むのが正式なので、命日が平日であればその日に行うことに何の問題もありません。むしろ本来の形です。一方、参列者の都合を優先して土日に移す場合は、命日より前に繰り上げるのが慣例です。「先延ばしにしない」という考え方に基づくもので、1〜2週間程度前倒しする例が多く見られます。やむを得ず命日を過ぎる場合は、僧侶に相談したうえで判断するとよいでしょう。

一周忌当日の流れ

当日は概ね次の順で進みます。全体で読経・法話が1時間前後、会食を含めると3時間程度が目安です。

  1. 施主・遺族は開始30分前を目安に会場入りし、僧侶と参列者を迎えます。
  2. 施主の始まりの挨拶。「本日はお忙しい中、亡き父の一周忌法要にお集まりいただきありがとうございます」といった簡潔な挨拶で始めます。
  3. 僧侶による読経。
  4. 焼香。施主から始め、故人と縁の深い順に行います。
  5. 僧侶による法話。
  6. お墓参り(墓地が近い場合)。一同で移動し、納骨堂や墓前で手を合わせます。
  7. 施主の終わりの挨拶と会食(お斎)。献杯の発声を親族の年長者などに依頼しておくと進行が滑らかです。
  8. 引き出物を渡して散会。会食を行わない場合は、引き出物に折詰やお酒を添えて持ち帰っていただく方法もあります。

僧侶が会食に同席されるかどうかは事前に確認します。辞退された場合は御膳料を包んでお渡しします。

お布施の相場と服装のマナー

お布施・費用の目安

一周忌でお寺に渡す金額は、地域・寺院との関係・法要の規模により大きく異なりますが、一般的な目安は次のとおりです。

項目一般的な目安備考
お布施(読経料)3万〜5万円程度菩提寺との付き合いの深さで幅がある
御膳料5千〜1万円程度僧侶が会食を辞退された場合に渡す
お車代5千〜1万円程度寺院以外の会場に来ていただく場合
卒塔婆料1本2千〜1万円程度寺院ごとに定額の場合が多い。浄土真宗では立てない
会食費1人3千〜1万円程度会場・料理の内容による
引き出物1家族2千〜5千円程度消え物やカタログギフトが一般的

いずれも地域・寺院・葬儀社や会場により異なります。金額に迷う場合は、寺院に「皆さまはどのくらい包まれていますか」と率直に尋ねても失礼にはあたりません。お布施は袱紗に包んで持参し、切手盆か袱紗の上に載せて僧侶に差し出します。

服装(施主側・参列側)

一周忌までは、施主側・参列側とも喪服を着用するのが一般的です。

  • 施主・遺族: 準喪服のブラックフォーマル。男性は黒無地のスーツに白シャツ・黒無地ネクタイ、女性は黒のワンピースやアンサンブル。参列者より軽い装いにならないようにします。
  • 参列者: 同じく準喪服が基本です。案内状に「平服でお越しください」とあれば、ダークスーツや地味な色のワンピースなどの略喪服にします。
  • 数珠を持参し、殺生を連想させる革・毛皮の小物や光る装飾は避けます。

三回忌以降は次第に平服(略喪服)へ簡略化していくのが通例で、この点が一周忌との大きな違いです。一周忌は喪が明ける前の最後の大きな法要にあたるため、服装も葬儀に準じた格を保つと覚えておくとよいでしょう。

宗派・宗教による違い

浄土真宗

浄土真宗では、亡くなった方は阿弥陀仏の働きによりすでに浄土に往生して仏になっているとされるため、遺族が善行を故人に振り向ける追善供養という考え方をとりません。一周忌をはじめとする年忌法要は、故人をご縁として遺族が仏法を聞き、阿弥陀仏のご恩に感謝する報恩の場と位置づけられています。このため冥福を祈る表現や卒塔婆供養は用いず、御霊前ではなく御仏前・御香資などの表書きを用いる点にも特徴があります。

曹洞宗・臨済宗など禅宗、真言宗・天台宗・浄土宗

これらの宗派では、一周忌は故人の追善供養として営まれます。曹洞宗では、年回法要は故人の祥月命日またはその前夜(お逮夜)に営むのが正式とされています。読経・焼香・法話という流れは概ね共通ですが、焼香の回数や作法、卒塔婆の扱いは宗派・寺院により異なるため、事前に菩提寺へ確認すると安心です。

神式(神道)の一年祭

神道では仏式の法要にあたるものを霊祭(みたままつり)・年祭と呼び、亡くなって満1年目に一年祭を営みます。神社本庁の解説では、年祭は満1年、2年、3年、5年、10年、以降10年ごとの節目に行うのが一般的とされ、五十年祭などをもって「まつりあげ」とし、故人の霊は祖霊として子孫を見守る存在になると考えられています。一年祭は神職による祭詞奏上と玉串奉奠を中心に、自宅や墓前、斎場で行われます。神式では香典の表書きは御玉串料・御神前などとし、数珠は用いません。

キリスト教の記念式

キリスト教には年忌法要の教義はありませんが、日本では習慣に合わせて、カトリックでは追悼ミサ、プロテスタントでは記念式・記念集会を命日や昇天記念日に行うことがあります。死後1年の節目に教会で祈りを捧げ、その後に茶話会や会食を持つ形が多く、仏式のような決まった作法や回数の定めはありません。

準備チェックリストとよくある失敗例

一周忌の準備チェックリスト

  • 日程を決めた(祥月命日当日、または命日前の土日)
  • 菩提寺・僧侶に読経を依頼し、日時を確定した
  • 会場(自宅・寺院・法要会館など)を予約した
  • 案内状を送り、出欠を確認した
  • 会食(お斎)を人数分手配した(法要用の献立を指定)
  • 引き出物を人数分+予備を用意した
  • お布施・御膳料・お車代を白封筒に入れて用意し、袱紗に包んだ
  • 卒塔婆が必要な宗派では本数を寺院に伝えた(浄土真宗は不要)
  • 遺影・位牌・供花・お供え物を準備した
  • お墓参りの段取り(線香・花・掃除道具)を確認した
  • 施主挨拶と献杯の依頼先を決めた

よくある失敗例と注意点

  • 僧侶の手配が遅れて希望日に法要ができなかった。土日や彼岸・お盆前後は予約が集中します。日程が決まったらまず寺院に連絡するのが鉄則です。
  • 三回忌と混同して日程を1年間違えた。三回忌は満2年目です。一周忌の翌年が三回忌にあたる点を親族間で共有しておきましょう。
  • 命日より後の日程に延ばしてしまい、親族から指摘を受けた。繰り上げは問題ありませんが、繰り下げは避けるのが慣例です。
  • 会食の献立が祝い膳のようになってしまった。予約時に「法要のあとの会食」と必ず伝え、鯛や伊勢海老などの祝い食材を避けてもらいます。
  • 引き出物の数が足りなかった。夫婦での参列は1家族1つで数え、直前の出欠変更に備えて2〜3個の予備を用意すると安心です。
  • 浄土真宗の法要で「冥福をお祈りします」と挨拶してしまった。宗派の考え方に合わない表現とされるため、「故人を偲び」「ご縁に感謝し」といった言葉に言い換えます。
  • お布施を裸のまま手渡ししてしまった。白封筒や奉書紙に包み、切手盆や袱紗に載せて渡すのが丁寧な作法です。

まとめ

一周忌は、亡くなった翌年の祥月命日に営む、年忌法要の中で最も重視される法要です。準備は1〜2ヶ月前から、日程調整と僧侶の手配を最優先に進め、会場・案内状・会食・引き出物の順に整えます。お布施は一般に3万〜5万円程度、御膳料・お車代は各5千〜1万円程度が目安ですが、地域や寺院により幅があります。浄土真宗では追善供養ではなく報恩の場とされるなど宗派差も大きいため、迷ったら菩提寺に確認しながら準備を進めることが、失敗のない一周忌への近道です。

よくある質問

Q. 一周忌はいつ行うのですか?

亡くなった翌年の祥月命日(同月同日の命日)に行うのが正式です。参列者が集まりやすいよう、命日より前の土日に繰り上げて行うのが一般的で、命日より後に延ばすのは避けるべきとされています。

Q. 一周忌のお布施の相場はいくらですか?

読経へのお布施は一般に3万〜5万円程度とされています。僧侶が会食を辞退される場合は御膳料として5千〜1万円程度、寺院以外で行う場合はお車代として5千〜1万円程度を別に包むのが目安です。地域や寺院との関係により幅があります。

Q. 一周忌は平日に行ってもよいですか?

問題ありません。本来は祥月命日当日に営むのが正式なので、命日が平日ならその日に行うのはむしろ丁寧な形です。参列者の都合がつかない場合は、命日前の土日に繰り上げるのが一般的です。

Q. 一周忌の服装は喪服でなければいけませんか?

一周忌までは施主側・参列側とも喪服(準喪服のブラックフォーマル)を着用するのが一般的です。三回忌以降は地味な平服(ダークスーツなど)へ簡略化していくことが多く、案内状に平服の指定があればそれに従います。

Q. 浄土真宗でも一周忌はしますか?

行います。ただし浄土真宗では、故人はすでに阿弥陀仏の働きで浄土に往生しているとされるため、故人の冥福を祈る追善供養ではなく、遺族が仏法に出遇い、ご恩に感謝する報恩の場と位置づけられています。

参考文献・出典

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